ある大学のラグビー部副キャプテンが、寺社でのアルバイト中に下半身を露出、その写真を自身のtwitterに投稿したことがきっかけで部活動の無期限活動停止(3か月後に解除)が決まるというトラブルがありました。時系列で見て行きましょう。
1月 寺社でアルバイト中、参拝客からは見えない角度で下半身を露出した状態で接客を行う。
その時の写真を自身のtwitterに投稿。
4月11日 トラブル発覚。本人は「あれは捏造で自分ではない」と弁明。twitter上にも同様の投稿。
4月12日 一転、投稿を認め謝罪。大学側がラグビー部の無期限活動停止を決定。
4月13日 住職が学長の謝罪を要求、この日、学長が「所要が重なり来るのが遅れた」と謝罪。
7月12日 無期限活動停止の処分解除
学生は、「OBをマネた」と説明していて、実際OBの画像も流出していました。自身の恥を晒すだけでなく、寺社の伝統をも傷つける行為で‘体育会のノリ’では済まされない事態です。
このトラブルを3つに分けて考えてみたいと思います。まず
①アスリートとしての自覚と責任
まず、リアルな世界で下半身を露出する行為に問題があります。これは、アスリートであるか否かではなく人として成人として大学生として幼稚で良識のない行為です。今回は、人目には触れない所での行為ですが、そうでなければ列記とした罪です。
②ソーシャルメディアリテラシー
下半身を露出して接客する姿を、自身のtwitterに投稿するという行為に問題があります。何を投稿し、何を投稿しないのか、その判断ができるか否かがソーシャルメディアを使う際の最低限のスキルです。インターネットの性質上、1度投稿したものは完全に消し去ることは困難です。
③炎上後の対応(謝罪)
「捏造です」と嘘をついたことに誠意を感じることができません。「嘘をつく」「トラブルを隠す」これらの行為は事態を悪化させます。また、寺社の被った被害を考えると学長の謝罪は要求される前に率先して行うべきだったと思います。そして、「所要が重なり来るのが遅れた」は今回の件はそれに比べると小さな問題と言っているのと同じで、これも誠意を感じることができません。
①②は、トラブルの有無にかかわらず身に着けておくべきスキルです。③は、起こってから対応方法を考えるのでは手遅れになる可能性が高いでしょう。当協会のソーシャルセミナーではこの3つの視点からサポートしています。詳しくは⇒コチラ
このトラブルは2012年に起こっていますが、今回改めて調べてみると該当学生のフルネームや就職内定先の企業名まで出てきました。また、高校アスリートの炎上事例では部活動や試合に大きな影響を与える内容であったにも関わらず、「監督が恐い」「スタメンを外されたくない」という思いから報告できず拡散するということもありました。
予防は重要です。同様に重要なのは、万が一トラブルが起こった時にどう対応するかです。トラブルが起こったときの連絡経路は決めていますか?炎上した投稿を削除するのか、アカウントは削除するのかなど対応方法を事前に検討していますか?
指導者・保護者の皆さんが学生時代にはなかったトラブルで、戸惑いもあるかと思いますが、個人のトラブルが部活動、そして学校に影響を与えることも少なくありません。これからも付き合っていく問題です。今、しっかり考えてみませんか?