「カメラを見て答えるんですか?
それともインタビュアーですか?」
です。これは、時と場合によってです。
まず、1vs1のインタビューの場合は基本的にはインタビュアーを見てください。アスリートの皆さんの顔が完全な横向きにならないようインタビュアーとカメラマンが位置を調整します。
チラチラとカメラを見ないで下さい(笑)
アナウンサーの場合、比較的アスリートの隣に並んでマイクを向けることが多いのですが、記者の場合カメラの横、つまりアスリートの正面近くからマイクを出して聞く場合がありますが、その場合もカメラ目線ではなく記者に話しかけるようなつもりで答えて下さい。
「カメラに向かって、ファンの皆さんにメッセージを!!」
と言われたら思いっきりカメラ目線で力強いコメントをお願いします。
一方、囲み取材や会見の場合は少々事情が違ってきます。
質問を聞くときはインタビュアーの方を向いてもいいのですが、答えるときは正面を見て下さい。
代表質問など前半のインタビューは特に。
囲み取材では、基本的にインタビュアーは選手の表情を撮りたいので自分の会社のカメラの真横・真後ろから聞きますが、例えばアスリートが左端のインタビュアーの方をガッツリ向いて答えると右側のカメラは後頭部しか映りません。会見では、インタビュアーは着席、カメラは1番後ろの台の上というのが通常の形です。
うちのアナウンサーの質問で、アスリートが答えている映像が欲しい!
ということで、同じ質問を重ねたりすることもあるようですが、それはテレビの事情もご理解いただいて同様の回答をしていただけると助かります。これは昔の自分の経験からそう思います。
カメラに対してどういう姿勢で立つか、視線はどうかという内容もメディア・トレーニングの大切な1部です。私の少ない経験では充分ではないので、現役でキー局で働いているカメラマンやディレクターの方にもアドバイスをいただいたものをお伝えしています。
目線や位置は、アナウンサーやカメラマン、マスコミ側が配慮するべき問題ですが、アスリートにとっては知らないことが不安につながり集中できないこともあるようなので、できる限りアスリートの質問にも答えていきたいと日々勉強しています。私自身がインタビューを受けた時は、カメラマンが撮りながらインタビュアーも兼ねていたのでさすがに一瞬戸惑いました(笑)
NPO法人日本スポーツメディアトレーナー協会 糸川雅子