協会を立ち上げる前、メディア・トレーニングを行っている企業にいくつか採用のアプローチしました。「アナウンサーは認めていない。新聞記者しか採用しない」と言われた所もありますし、「アナウンサーという職業を完全にやめなければできない仕事だ」とアドバイスして下さる方もいらっしゃいました。
メディアトレーナーは公的な資格を有する職業ではないですし、採用には各企業ごとの条件や信条があって当然です。
日本にある少ない情報を集めてみると、メディアトレーナーは、マスコミまたはPR・広報でマスコミと仕事をした経験が不可欠で且つ現在マスコミの中にいない人であることが望まれているようです。
後者の理由としては、現役の記者であればメディア・トレーニングで知りえる繊細な情報を‘特ダネ’として報道する危険性があるという理由が述べられていました。また、他の方のご意見では、アスリートがマスコミを嫌っている場合が多く、現役マスコミであれば信頼を得難いというものもありました。
そうでしょうか?
マスコミを引退しても、知人のマスコミ関係者が多数いるわけですから「特ダネ」の漏洩は、厳正な規則と人間性にかかっています。もちろん現在進行形で取材している人間は対象外ですが、現役だから、と一言では言うことはできません。また、私は現在取材活動は行っていませんが現役でラジオ局でニュースを読み、スポーツイベント・会見の司会を担当していますが、この経験がマイナスになったことは今の所1度もありません。むしろ最新の情報(特にソーシャルメディアと既存メディアの融合など)にいち早く対応できるという利点があります。
スポーツメディアトレーナー®で商標をとったのは、いずれは資格として認定し、当協会の理念を理解し、ともに働いてくれる仲間を増やして行きたいと思ったからです。まだ、準備が完全に整っていませんが、
今現在、スポーツメディアトレーナー®の条件は
●テレビ・新聞・雑誌など所謂マスコミでのスポーツ報道経験がある人
●広報・PR会社でスポーツ関連の仕事をしたことがある人
●ソーシャルメディア関連の会社でスポーツ・アスリートのPRを担当したことがある人
●アスリートの経験を世の中に還元し、社会を良くしたいと思っている人
過去にどういう仕事をしてきたかも判断の基準にはなりますが、シンプルに考えています。学生さんからのご連絡もいくつかいただいているのですが、新卒の採用は上記に当てはまらないためごめんなさい。うちの理事には人事のエキスパートもいますし、情報漏えいなど協会規則などに関しては監事が優秀な弁護士なので、私1人の判断ではなく組織としてスポーツメディアトレーナー®にふさわしい方かどうか総合的に判断させていただきたいと考えています。
おかげさまで、ご依頼が増え、私1人では対応できる日程が限られてきました。教育制度が整っていないため1からということは今は難しいのですが、経験者で上記の条件に当てはまる方は是非ご一報いただければと思います。
NPO法人日本スポーツメディアトレーナー協会 糸川雅子