「セカンドライフとして旅行業をやりたいという気持ちも強い。
家族を持てば、お金もかかるし、ビジネスを立ち上げるにしても資金が必要。
そのために、今季は絶対に復調しなければならないと思っていた」
３年ぶりに２ケタ勝利を挙げたロッテのグライシンガー投手のコメントです。
結婚とセカンドキャリアという目標設定が競技成績に良い影響を与えたようです。
以前、何人かのプロ野球選手とセカンドキャリアとその準備について話をする機会があったのですが、
現役中は、野球漬けで他の事を考える余裕も時間もない。
というのがテッパンの回答でした。時間がない・・そうか・・と思って1日のタイムスケジュールを聞いてみると結構時間に余裕がある。特に2軍にいる間は試合が日中ということもあり夕方以降に自由になる時間がありました。
日本では、プロ野球選手として高額の年俸をもらっているわけだから、それ以外の事に時間を使うのは契約違反という暗黙の理解があるという話も聞きました。
しかし、日本野球機構（NPB）が現役プロ野球選手に実施した引退後に関するアンケートでは、引退後に不安がある選手は74％で、不安要素では「進路」が45％を占めています。一方で、海外ではセカンドキャリアセミナーを導入し、引退後の不安を取り除くことで競技に集中でき、競技成績が向上したというデータもあります。
様々なアスリートの話を聞いていると、それぞれ引退後の生活に不安がある。
不安だからこそ敢えて見て見ぬフリをしているという人も少なくありません。
先日の体育会学生のためのキャリア支援イベントでも感じたのですが、確かに練習や試合で時間は制限される、それがアスリートの宿命です。だからこそ、早めに準備しなければ明るい未来は掴めないように思います。
まずは、引退後にどんな仕事をしてみたいのか、自分にはどんな素養があるのか・・
自分を見つめ直すことから始まります。そのきっかけを提供していけるような取り組みを今後増やしていきたいなと考えています。
