日本を代表するアスリートの多くは、中学生の頃まず新聞など紙媒体の取材を受け、その後、高校生になりテレビの取材が増えるというのが1つのパターンです。
特に、高校野球・高校サッカーはメディア・イベント化しているため過剰な取材を受け、その精神的負担が後々のメディア嫌いに繋がるというあまり良くない流れがあるようです。
大学院の研究では、様々な種目で活躍するアスリートに高校時代のメディア経験とそのときの心情についてヒアリング調査をしたのですが
皆一様に
- メディア取材の精神的負担を誰にも相談できなかった
- 誰かに相談したかった
と話しています。
指導者には相談できなかったというのが共通の意見で、チーム競技の場合、1年生2年生でメディアに注目されると上級生からのイジメの対象になったりする事もあるようです。思春期ということもあり、メディア取材でうけるストレスを家族やモノにぶつけて発散したという
共通の経験を持っている事も興味深い結果の1つでした。
実は、アスリートのこういった心情は指導者には届いていないことが多いのが現状です。
これから世界で戦おうというアスリートは、そんな困難は乗り越えるべき。
という考えもあろうかと思いますが、アスリート自身と指導者が正しい理解をすることで充分に回避できるストレスならば対応すべきだし、何より、メディア取材のストレスが競技に影響するのは指導者の方も避けたいはずです。
ジュニア世代のアスリートの不安や悩みに答え、またそれぞれの事例を多くの人とシェアし、問題提起していくことも当協会の大事な役割だと思っています。